2011-03-28

東北日本関東大震災 自分の反省編

日本の事が気になってなかなかブログの投稿ができない.
東北日本関東大震災についての報道に目が釘付けだ.

今日のブログ記事は今回の震災で私自身の反省も踏まえて,いろいろと思ったことを綴ってみた.これを綴らないと,普段の生活ブログに戻れない.

私は地学を専門としていて,大学での授業でも東北日本に蓄積するひずみについても話をしていた.ではそのときにどれだけ津波の危険性について授業で説いただろうか.三陸沖で発生する地震では特に津波が危険であることは述べていたたが,具体的なデータを示しての講義は行っていなかった.次の記事に述べる,内陸3km以上に渡って津波が押し寄せたこともある869年に発生した貞観地震についても情報を知っていたのに,授業では触れていなかった.授業時間が足りないこともあったし,専門が地震や津波ではないこともあり,割愛していた.しかし,割愛して良い話ではなかった.日本という震災列島に住んでいる以上,震災とともに生きていかねばならない.火山,地震,津波などの震災のメカニズムについては授業で話した.しかし,それが発生したときの対策や発生する前の準備についての話をしていなかった.深く反省している.地学に関わる人は,例え自分の専門外でも,防災についての授業を最低でも1コマは割くべきだと,今回の震災を機に思いを改めた.

人間は誕生してからたかだか数百万年.ましてや史実として記録に残っているのはせいぜい数千年である.それに対して地球は46億年の歴史を持っている.今回,多くの日本人が今回の震災を“予想以上”の震災だと思ったことと思う.本当に“予想以上(想定外)”だったろうか.我々地質学者は地層から過去の地球に起きた出来事を読み解く.そのデータは今回の震災を予想以上とするだろうか.過去に起きた震災の中でも大きなものだとは思うが,決して最大ではないだろう.もっともっと地質学者が努力していれば,今回の震災によるダメージを軽減できたかもしれない.次の記事で述べる原発に関しては,一部の地質学者が数年前にならしていた警鐘を東電や政府が聞き入れていれば,今回ほどひどい惨事には陥らなかったろう.

そして,現在の日本では高校などでの地学教育がほとんどなくなっている.あったとしても,大学受験における暗記科目に成り下がっている.それではだめだ.震災列島日本に住む以上,日本の成り立ち,立地条件,震災のメカニズムと対策を十二分に知っておかなくてはならない.少なくとも日本での地学はおそらく他の学問より遙かに重要な学問だ.この震災は不幸であったが,しかし,この逆境を少しでもプラスに変えるべく,私は努力する.現在の日本の状況や被災した人々,救援を行っている人々,必死に原発処理にあたっている人々のことを考えると,いたたまれない気持ちになるが,いま私にできることは,私の専門を活かした貢献である.それは今すぐには効果が無いかもしれないが,10年後,20年後の日本を救うために,まずは私自身が行う授業の改革,日本の教育制度改革への活動をしていこうと決意した.

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